「広島駅の地下自由通路はいつからあるんでしょうか」
この答えを探すべく、目星をつけてあたった資料では、ことごとく中年のノスタルジーへと来着。興味関心があっちこっち寄り道を繰り返した挙げ句に、答えにはたどり着けなかったよ チャンチャン。というレポートです。
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昭和57年深夜の広島駅の地下自由通路(広島市南区松原町)で、拳銃による殺人事件が発生。胸を撃ち抜かれた男性の遺体が発見されました。
あ、これは西部警察「広島市街大パニック*1」の話です。どうぞご心配なく。
遺体で見つかった男性は、市内在住で職業不詳の井上啓一さん。井上さんの自宅アパートからは、爆発物製造の形跡が見つかっています。関連を調べる広島県警は、指定暴力団銀竜会の構成員・土倉純司37歳を殺人の容疑で全国に指名手配。行方を追っています。土倉容疑者は、昨年殺害された銀竜会桜井会長の殺人容疑の他、3日前に都内で発生した現金輸送車襲撃事件の関与が疑われています。この襲撃事件では、3人の警備員が犠牲となり、現金5000万円が強奪されました。
国鉄ターミナル駅で起きた発砲事件ながら、深夜で人通りが少なく、凶行に巻き込まれた市民がなかったことは不幸中の幸い。胸をなでおろしたわけですが、やはり気になってしかたがないのは、ピッカピカでSFちっくな近未来感を放っている地下自由通路でしょう。
床から天井までピッカピカ。しかしそれも今は昔です。ちょっとくたびれた地下自由通路を歩いてみれば、35年の経過を思わずにはいられません。
ピッカピカだった撮影当時(昭和57年7月)のタイミングで、地下自由通路が新設されたのでしょうか。塗替え工事があって、真新しく見えているのでしょうか。それとも、単に照明の具合でピッカピカに見えているだけなのでしょうか。
という訳で、冒頭の質問です。広島駅の地下自由通路はいつからあるんでしょうか。
切符や入場券を持たずとも、広島駅の南口〜新幹線口(北口)をフリーパスの歩行者専用経路が地下自由通路です。広島駅の地下の歴史は古く、昭和20年8月6日の被爆証言*2にも見つけることができますが、それはどうやら在来線ホームと階段で上り下りできる地下連絡通路*3のようで、地下自由通路ではありません。ちなみに、この2本は平行に並んでいて、それぞれ南口と新幹線口をつないでいます。
駅の構内図の変遷をまとめたものでもあれば一発解決なんですが、そんなに都合よくはいかないものです。艱難辛苦をいくとしつき。現在過去未来、迷い道くねくね。まるで喜劇じゃないの。そんなレポートになりそうですが、お時間許せばどうぞおつきあいください。つづく。
(2020年9月9日追記)
階段〜地下道南口改札と地下自由通路は閉鎖されることになりました。
(2020年10月21日追記)
地下道南口改札が2023年3月18日から利用再開。ICカード専用改札になりました。