Hiroshima Photography

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ズッコケ三人組の故郷でコーヒー 広島市西区己斐本町 バセットカフェ

BASETTE CAFE バセットカフェ 広島市西区己斐本町1-9-25

ズッコケ三人組那須正幹 ポプラ社刊)の銅像が見守るJR西広島駅前。ともに書店〜イズミ己斐店の方向へ。白を基調にした細長い建物がバセットカフェ。屋号を冠した深煎りブレンドを注文した。店舗1階の奥では看板犬チョコちゃん(バセットハウンド)がお出迎え。愛想の良さに後ろ髪を引かれながら3階へ上がる。3階は喫煙席なのだ。

コーヒーを待ってる間に少し解説を。ズッコケ三人組の舞台「稲穂県ミドリ市花山町」は、作者 那須正幹さんの出身地 広島市西区己斐がモデルになっている。

2009年(平成21年)花山駅こと、JR西広島駅銅像が建立され、ロータリーには「ズッコケ三人組のふるさと己斐」の看板がたった。単行本見返しの花山町の地図と引照すると、バセットカフェのあたりは花山商店街だが、己斐本町中通り商店街は広電西広島駅から宮島街道をわたる。実際の位置関係などに違いはあるが、主人公のひとり、ハチベエこと八谷良平くんの実家が営む八百屋さん、八谷商店(花山町1-7-38)のイメージそのままに、わたなべストアー(己斐本町3-2-4)は今日も旬の野菜を店頭にならべている。

さて、コーヒーが運ばれてきた。豆は深川珈琲(安芸郡府中町浜田)の石焼焙煎。そのあたり明るくないが、ホッとひといきつける一杯。香りとか苦味、酸味がそうさせるんだろう。

昨年(2012年)11月オープンのバセットカフェ。以前ここは化粧品店だったそうだ。1978年(昭和53年)それいけズッコケ三人組〜2004年(平成16年)ズッコケ三人組の卒業式までの全50巻のシリーズに、化粧品店は登場しただろうか? それは読み返さないと分からないが、不惑を迎えてからのズッコケ中年三人組にはまだ出てこない。

そう、40代のハチベエハカセ、モーちゃんは今も花山町界隈を歩いている。長男の行く末を心配するコンビニ店主のハチベエ、中学の先生になったハカセは学級崩壊に直面し、大阪の鉄工所に勤めていたモーちゃんは倒産のあおりで失業した。

悲境を嘆くかつての読者もいるかもしれないが、身につまされる、身につまさせるのがズッコケシリーズの真骨頂。地方都市の公立小学校に通う団地の子と商店街の子、中流家庭の理想的な日常の、理想的なちょっとした冒険というスタンスは変わっていない。

 

かつてズッコケ三人組の物語に熱中する小学生だった ぼくは、たばこをくゆらせながらコーヒーを語る38歳になった。